立川市・PLAY! MUSEUMで開催中の「櫻井翔 未来への言葉展」へ行って参りました。
生まれてはじめて好きになったアイドルによる個展。しかもテーマは「言葉」ときたものだ。私が行かなくてどうする、きそがわ。
昨年六本木で開催されていた時は都合が合わなかったのですが、今回ようやく行けました。
※以下、展示内容に関する記述がございます。
開館する10時~のチケットを取りましたが、外で少し待機。中に案内されたのは10:15頃でした。
まず受付をしてもらうのですが、FC枠か一般枠かでカウンターが分かれています。
FC枠用カウンターは複数台ありましたが、一般枠は1台のみでした。
コインロッカーも結構あったので、コートや荷物を預けてゆっくりご覧になりたい方も安心。
受付では、この後の展示で必要になるものを渡されます。
・特設カフェの利用チケット
・ことば工場カード(詳細は後ほど)
・『M』のマークのステッカー(ミュージアム展示を見に来たお客です、という印。帰りに回収されます。バッグに貼ってる人が多かった)
受付を済ませると、早速カラフルなエントランスがお出迎え!
- あなたに向けて書いてきた。これからも、書いていく。──『オトノハ』
- 想像の向こう向こうへと──『ことば工場』
- あの人は何のために亡くなったのか。亡くならなければならなかったのか。──『NO MORE WAR』
- 私は、伝え続けたいと思います──『来年も再来年も』
- 君が忘れがちなのであれば いちいち記憶に残る種蒔く──『サクラップサウナ』
- 45の言葉を探すのは、もはや脳内小旅行。──『すきのあいうえお』
- 言葉と音楽と“伝えること”は、いつも自分のそばに──『SHO ROOM』
- 『僕です。』
- ありがとうの交換。的な。
- 最後に
あなたに向けて書いてきた。これからも、書いていく。──『オトノハ』
フロアに入ってすぐの場所に設置されたスクリーンでは、櫻井くんからの動画メッセージが流れています。
初めて乗る路線、初めて降りる駅、会場に辿り着くまでも少し迷ってしまって気持ちが張っていたので、櫻井くんの声を聞いた瞬間ホッとしてちょっと泣きそうになってしまいました。
WEB会員サイトにて2008年より定期更新が始まった櫻井くんのブログ、『オトノハ』。
櫻井翔の言葉、というものを語る上では欠かせない、彼にとってライフワークと言える位置付けではないでしょうか。
まずはここで、15年分の連載の歴史を振り返ることから、櫻井翔が綴る言葉の旅が始まります。
長~~~いレシートのようなものが、壁を覆うようにしていくつも垂れ下がっている光景は壮観。
表面をよく見ると、びっしりと印刷された文字。全部「オトノハ」のバックナンバー!!その数、なんと200編以上だそうです。
中でも、お誕生日やターニングポイント的なお仕事にまつわる回は、大きくて赤い紙に印字されています。
特に印象的だったのは、2017年9月15日更新の「伝える」。
アイドルとして活動する傍ら、報道に携わることに対する葛藤や決意を綴った回です。
知ることはきっかけになる。
知ることは抑止力になる。
知ることは背中を押してくれる。
知ることは勇気を与えてくれる。
──『オトノハ』2017年9月15日「伝える」より抜粋
想像の向こう向こうへと──『ことば工場』
入場時に1人1枚ずつ手渡される「ことば工場カード」。
裏面にはQRコードが印刷されており、専用の機械にかざすことで、装置が稼働するという仕組み。
5枚のカードをかざすと、そのリリック達を櫻井くんがいい感じに組み合わせて歌ってくれるというもの。昔流行ったオシャレ魔女のカードゲームみたいな機械でワクワクした!
ぼっち参加だったので5人分集められるか不安でしたが、全然杞憂でした。(みんなガンガン読み込ませていくから)
カードを読み込ませるごとにメカ・櫻井くんが「おっ?」「ふ~ん」「いいねぇ(吉本荒野の言い方ではなかった)」などと反応してくれる。
1個言うと、結構ギュッッとして仕切りがない展示達の中の真ん中辺りに鎮座しているので、シリアスな展示の狭間に「太陽と🎶月だって🎶覆う🎶」とか聞こえてくるの結構カオスである。でもそのごっちゃ混ぜシュールな感じも櫻井くんぽいと思えなくもない。
あの人は何のために亡くなったのか。亡くならなければならなかったのか。──『NO MORE WAR』
戦時中の日本を描いたドラマへの出演や、海軍士官として戦死された大伯父様の存在をきっかけに、反戦への意識を強め、取材を続けてきた櫻井くん。
ここではその集大成とも言える記事を掲載した「Newsweek」(日本版/2021年12月刊行)と関連資料を展示。
大伯父様が乗っていたという船の写真も見ることができ、戦争は今自分がいる時代と地続きなのだなと実感させられます。
大伯父様が亡くなられたのが、奇しくも今の私と同い年だったことにも心が重くなりました。
私は、伝え続けたいと思います──『来年も再来年も』
東日本大震災発生間もない頃から被災地へ赴き、取材を重ねてきた櫻井くん。
このブースでは、「news zero」(日本テレビ系)にて過去に放映された映像のダイジェストを見ることができます。
震災当時、私も私で、東北に住む友人達となかなか連絡が取れず、まだ子どもだった為出来ることもなく、不安な気持ちを抱え続けていて。
そんな中、『zero』でヘルメット姿の櫻井くんが真っ暗な被災地から生中継をしている姿を見た瞬間、TVの前で涙が溢れたことを思い出しました。
君が忘れがちなのであれば いちいち記憶に残る種蒔く──『サクラップサウナ』
円状のサウナのような空間に座り、耳で、身体で「サクラップ」を体感できるフロア。
アイドル本人が目の前にいるコンサート中でも、目を閉じて聞き入ってしまう私のために作られたようなブース。
櫻井くんによるリリックによって全編ラップ構成されている三大楽曲「COOL&SOUL」、「Re(mark)able」、「Attack it!」が順に流れてくるのですが、全て櫻井くんによる歌唱。
オリジナル音源での他メンバーとの歌い方の違いを味わうのも楽しい!
櫻井くんバージョンも良かったけど、「Attack it!」の「笑顔に紛れた大怪獣」はやっぱりニノさんだな~。
黙って聴いてないといけないんだけど、普通にノリたくなる瞬間が何度もあった。
言葉の「熱」を浴びたあとは、最後は櫻井くんによるピアノ演奏と、本人撮影の風景写真でクールダウン。「顔可愛い~🎶」と「何なんだろうこの時間」がほんのりと心に漂います。
本当のサウナには行ったことがないのですが、なんか「整う」という感覚が分かった気がします。
45の言葉を探すのは、もはや脳内小旅行。──『すきのあいうえお』
2023年春に同会場にて開催された、詩人の谷川俊太郎さんの展覧会での企画のオマージュだそう。
「あ」から「ん」まで、クリハラタカシさんのキュートなイラストとともに櫻井くんの好きなものが、ズラ~~~~リと並びます。
好きな人の好きなものに囲まれる。
こんな最高なことって無い。
「昔、番組でやってたやつ!!」という懐かしいものや、「これ好きなんだ~!」という発見、「本当にそれ、好きですか?(50音ひねり出すために無理をしていませんか?)」というものまで、シンプルな企画ながらも見応え抜群。
特に「き」がエモかったな~……。(何だったかは内緒)
クリハラさんのイラストも、何気ない単語のものであっても小さく櫻井くんや嵐メンバーがいたり、嵐カラーで構成されていたりと遊び心が散りばめられています。
ちなみに真横がサクラップサウナのブースなので、整った方々()が移動してくるとしばらく混雑するのですが、しばらくして次の組のサクラップサウナが始まる頃には1人占めできました。
以前の展示のものなのか、コンクリ打ちっぱなしの床に無数のバミリの跡がついたままになっていて、偶然の産物ながらなんとも言えない良い雰囲気を醸し出していました。
言葉と音楽と“伝えること”は、いつも自分のそばに──『SHO ROOM』
私物を展示。半円型のショーケースは、櫻井くんの好きなスノードームのようにも見えます。
さすがにここが1番居座った展示かも。ノート片手に目を凝らしまくりました。
まずはブログ「オトノハ」の原文をしたためてきた歴代のガラケーとノートパソコン。キーボードの文字掠れて消えたりしてないかなと思って凝視してすみませんでした。
ガラケーは多分、上の画面をグルンッてやってワンセグとか見られるやつ(懐かし!)
そして五輪の取材関連グッズ。
取材中のノートも大公開。修正テープの使い方に萌えた。
報道陣用のパスも飾られてるのですがエーーーー!!!!!!!ちょっと!!!!!!!顔が!!!!!!!可愛すぎる!!!!!!!!!!!!!!
首からかける、普通の社員証くらいのサイズを想定してたら文庫本の表紙くらいのサイズ感だった。
ものによってアー写だったり、この為に撮ったノーセット姿の証明写真だったりするんですが、全部顔が可愛い。そりゃ海外で「美しすぎるキャスター」でバズるわ。
最後はサクラップ関連。
音楽番組か何かを録画したVHSに「S」というマークが書いてあって、ご家族が間違って上書きとかしないように翔のSを書いておいたのかな、と一瞬思ったのですが、でも櫻井家ってお父様も弟さんも全員イニシャルSではと気付き、じゃああのSは何なんだというミステリーが残っています。
そして作詞の手書きのメモ。これは!!!貴重すぎる!!!
メンバー紹介ラップ「La tormenta」。有名なのは「2004」ですが、恐らくその前の「2001」を考えていた時のメモだと思われます。
物持ちが良いでお馴染みの櫻井さんですが、23年前のノートを劣化させず残してるの凄いな。
展示されていたのは潤くんと大野さんの部分のメモでした。「二代目就任金田一」のとこ好きだなー。
大好きな「二人の記念日」の作詞メモもあった!!!
接続詞やてにをはなど微妙な違いがあって、サクラップだけの単独展示が欲しいくらい。どういう経緯で歌詞を変えたのか、そういうメイキングも知りたくなった。
ちなみに、私が中学生時代に運営していた櫻井担時代のブログタイトルは「Sho time~火曜日の執事~」でした。(オタクの秘話は不要)
『僕です。』
「オトノハ」は、毎回この一言から始まります。
「どうも。僕です。」
そんな「オトノハ」のバックナンバーなどから抜粋したエピソードが書かれたパネルが壁に展示されています。
凡ミスをしたり、名前を聞き間違えられたり。
そんな人間が「僕です。」と言うようなエピソードの数々。
生田斗真さんが以前「翔くんはJr.でありながらも普通の男の子でもあろうとしていた」と言っていたのを思い出しました。
秦直也さんによる挿絵も、海外の絵本のような温かみがあってとっても素敵でした。
あとブースの隅っこに櫻井くんが愛用している香水が置いてあって、場所的に素通りしちゃってる人がいて勿体なかった。私は肺の底から吸い上げました。なんかフローラルな匂いだった気がする。
ありがとうの交換。的な。
「プーさんのハニーハント」みたいな、巨大な絵本型のスクリーンに2つのエピソードが映し出されます。後ろに回るとしっかり背表紙もある。
切り株みたいな椅子に座って見ます。
櫻井くんが文、AYAKA FUKANOさんがイラストを担当。
スクリーンのそばには、完成に至るまでの櫻井くんとFUKANOさんの気持ちが綴られています。
お祖母様とのエピソードにほっこりして、嵐メンバーとのエピソードには「これ言っちゃっていいんだ…?!」となって。
山コンビのオタクだったもので、大野さんの優しいエピソードを知られてよかったな。
最後に
子供の頃の私にとって、櫻井くんは神様でした。
子供の頃の私にとって、櫻井くんの言葉は道標でした。
けれど大人になってからは、櫻井くんの言葉に、その言い方は違うんじゃないか、公の場で言うことではないんじゃないか、と感じることも増えてきて。
でもそれは、櫻井くんが反感や否定を臆せず、言葉で伝えるということに拘り、戦ってきたという証左でもあると今は捉えています。
子供の頃の私へ。櫻井くんは、神様ではありませんでした。
神様ではないから迂回もするし間違う。
でも、神様ではないから辿り着ける正解がある。
時にマイク、時に鉛筆と持ち替えながら、櫻井くんだけが手繰り寄せられる景色をこうしてお裾分けしていただけて大変嬉しかったです。
長文散文ではございましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
んちゃ。
【展覧会概要】
櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!
開催地 PLAY!MUSEUM(JR立川駅北口より徒歩10分)
開催日程 2024/4/14(日)まで
営業時間 10:00~19:30
【一般枠チケット購入はこちらから】
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