偶像たちが目にしみる

月火水木金土日以外で会おうよ

本髙くんはいつも正しい

※この記事は、2019年春から書いて書いて書きためて寝かせていた文に加筆訂正を加え続けたものです。


(2023年8月追記)なお、現在の私の感情とは異なる記述がございます。が、非公開にして無かったことにするのではなく、こういうことを思っていた自分と地続きの日々に今がある、という記録として、暫くは公開しておこうと思います。






2018年の秋頃の話である。


アイドル誌を捲る指が、決まって同じ人のページで止まった。





あ、今のページに格好いい人がいた。





通り過ぎたページを戻ると、私の目を奪った格好いい人、の横には毎回『本髙克樹』という、彼の名前がクレジットされていた。





それは舞台でも同様・むしろ尚更で、まだたった一言二言台詞がある程度だった彼が度々目に留まった。
頭が良いけどちょっと抜けたところがある子なのか~、面白そうな子だから今後気にはしておこうかな。そのくらいで。



年は明けて滝沢さんの参画により、Jr.の世界の色合いはメキメキと変貌していった。ISLAND TVという動画配信サービスが始まり、まだYouTubeもなく仕事や知名度も少なかった彼らの『ここで自分達の名前を売ろう』『最大限に活用しよう』という心意気溢れる動画とそのセルフプロデュース力に胸を打たれた。


写真や舞台で踊る姿しか知らなかった本髙くん。普段こんな風に話すんだ。こんな風に笑うんだ。

そして彼の居場所はこんなにも騒がしくて、温かいんだ。

その年の混沌を極めた大改革の中で、私は本髙克樹くんと、7 MEN 侍に日に日に惹かれていった。



自担のコンサートのバックに彼がいることをレポで知った時、ああ、と思った。ああ、またこの人のことを好きになってしまう。


扇子を手にステージを舞う姿。その姿が見られたのは、別仕事のため他の7 MEN 侍メンバーが欠席したその日の公演だけという奇跡。



アンコール、主役の5人とともに、大きく腕を挙げて跳び跳ねるようにステージへ現れたその人は、陳腐な表現になるけれど、そのまま私の心にまでズキューーーーンと飛び込んできてしまった。








本髙克樹くんが、好きです。











私は優斗くんのことが大好きで大好きで大好きで、『以上』も『以外』も要らないし、現れないと思っていた。その日までは。


7 MEN 侍シアタークリエ単独の初日。私は日比谷で緑のペンライトを握りしめていた。


『この人のことが本当に好きなのか確かめに行きたい』と思って行動してしまっていた時点でもう答えは決まっていたのかもしれないけど。

ファイナルアンサーを出したかった。





きちんと私の目には、板の上に差す影まで彼らのことが見えているか。見ることはできるか。





答えは中盤、その瞬間に出た。

その刹那、バシーーーーーーーッッ!!!とこれまでにないレベルで鮮明に本髙くんにピントが合った。刮目せよ、と言わんばかりに。



あの頃の侍の、6人の雰囲気はただごとではないくらいに美しかった。




当時各々が抱えていた感情の破片が外側に溢れ出て、それがあの日の日比谷の照明と、私たち観客の心に反射して、呼応して、キラキラと輝いていた。



生命の輝き、とでも表現しようか。



ユニットの明日があるかも分からない。
当時の状況を指してその姿を美しい、と形容してしまうことは不謹慎で危険なことかもしれない。
しかしとにかく、片手間では彼を、彼らを応援できない、と強く心を揺さぶられる公演だった。




私の目には、もう何にも代えられない存在として、本髙克樹くんと、7 MEN 侍が映っていた。






夏が来て、HiHi Jetsと7 MEN 侍の合同公演が始まった。

本髙くんが私を見つけて、手を差しのべてくれた。
公演後も暫く感触が残ったくらい、ぎゅっと指切りもしてくれた。

キーボードを弾く手。ラップのリリックを書く手。指先まで美しいダンスを踊る手。わたしの『大好き』を生み出す、大好きな本髙くんの手。





その眼差しはいつも正しい。

たったひとつの正解を導き出す学問に身を置く傍ら、正解のない華やかな世界を進んでいく彼がのこしていく足跡を、その眼前に広がる光景を、「アイドルに向いていない」アイドルが頂に駆け上がるその瞬間を、目撃したい。



けれど、いつも正しい本髙くんの世界の中で、ひとつだけ正しくないものがあるとしたら、もしかしたら、アイドルとしてステージに立っていることなんじゃないかと、しばらくは不安だった。


加えて、私が本髙担であること、7 MEN 侍を好きであることが不快だと匿名で申し立てられることが増えた。


この年末年始、本髙担という肩書きや、本髙くんを好きな自分を手放す選択も考えました。
もしくは降りたことにして、ひっそり現場に通って応援していこうかとか、色々考えた。



そんな中、飛び込んできたフレーズ。



「大学院進学」



その手があったか、と、そりゃそうか、が渦を巻いて霧散して、パッと視界を晴らした。


そりゃ私より何倍も頭も要領もいい人だ。


正しすぎて笑える。これ以上とない、最適解だ。


2つとも、ただの保険じゃ済まされない。両方とも本気で向き合わないと押し潰されるし、これまで本気で向き合ってきたから選べた選択肢。




それなら私自身ももう一度、本髙くんと向き合いたい。
誰に否定されても評価されても、決して平坦とは約束されない道を進む本髙くんを、大声で好きだと言いたい。




「今以外に今日があったかい?」と、どんな計算式より答えが明らかなリリックを問い掛けるその姿が最高に頼もしい。





おめでとう。

ありがとう。





今以外、他の世界を生きる君を考えられない最高の今日を生きる君へ。







本髙克樹くんは、今日も正しい。