はてなブログではごぶさたしております~、きそがわです。
早速ですが❤️🔥告知の儀❤️🔥
今回、こちらのアンソロジーに参加いたしました!
私きそがわは【短歌投稿(新作)、ミニエッセイ】のページにて掲載していただいています。
あと、アンケートの企画もあったのでそちらも回答しました。(自由記述のところはあんまり書けなかった気が。すみません)
説明するまでも無い気もしますが念のため。
こちらのアンソロジーは、『J31Gate』というジャニーズ短歌(ジャニーズアイドル及び、彼らを応援する自分達を題材とした短歌)をファン同士で寄稿し、ひとつの歌集にするという企画の主催者さんによって企画・発行された歌集です。
この『J31Gate』に何度か寄稿していたご縁で、本企画にも参加させていただくことになりました。
という訳で、記念に投稿短歌のメイキング的なものを記録しておきます。
今回のテーマは『アイドル』。
特定のタレントを思い浮かべてもいいし、概念的なものでもいい。
広義的なぶん、一見やりやすいようでかなり難しかったです。
まず、今回掲載していただいた短歌はこちら。
【①偶像。②憧れや崇拝の的。】その先を書き足す仕事
※『①』『②』はそれぞれ『いち』『に』と読んでください。
それでは、暫しお付き合い頂けますと幸いです。
【きそがわの短歌ができるまで】
【詠みたい情景を思い浮かべる】
今回、情景先行で思い浮かんだのが
①『ステージで照明を浴びる自担の姿』
②『コンサート中、かっこいいパフォーマンス中なのに前の曲の紙吹雪がおでこについたままの自担』
こんな感じの情景で詠めたらいいなーと、まず考えました。
【キラーフレーズを決める】
情景よりも先に言葉がポッと浮かんだり、これは入れたい、という単語があるパターン。
今回はこっちの比重が多かったです。
フレーズ先行で浮かんだ(挙げた)のが
③『なれの果て』
私が現在応援しているジャニーズJr.内ユニット・7 MEN 侍の矢花黎さんのドラマ初出演作『なれの果ての僕ら』にかけた短歌を詠みたくて。
𝒄𝒉𝒂𝒓𝒂𝒄𝒕𝒆𝒓🪄
— ドラマチューズ! 「なれの果ての僕ら」Blu-ray&DVD-BOX 2023/12/6(水)発売 (@tx_narenohate) 2023年6月12日
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出席番号【𝟐𝟎】 水野カイト
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クラスの中心メンバー。
ネズとも仲が良く、勘が鋭い。#なれの果ての僕ら#矢花黎(#7MEN侍/#ジャニーズJr.) pic.twitter.com/AbQv26o80d
④【①偶像。②あこがれの対象者。】
そもそもの定義としてアイドルとは?と、Google検索をしてみました。
すると、広辞苑の『アイドル』の欄はこのように記載されていることが分かり、しかも字数も上の句にピッタリ!と思い使いたいと思いました。
【しっくりくる言葉を当てはめていく】
思い浮かんだ情景やフレーズにふさわしい言葉を当てはめていきます。
ちゃんと57577の定型に収まるか、収まったところで語感はいいか。
①制作中、ジャニーズJr.公式Instagramからこんな写真が投稿され
一気にクソデカ感情が募り
加えて、今夏突然開催されたJr.の俳句企画()での矢花さんのこちらの作品を思い出し
俳句と短歌では形式が違いますが、返歌が作りたくなりました。
短夜に踊る二百の星の中 見つけた君が 僕の道標(ポラリス)
・「二百の星」…演に出演したジャニーズJr.の人数(200人)のこと。
広い会場でたくさんアイドルがいても、たった1人矢花くんというポラリスを真っ先に見つけるよー!!という意味。
②
前髪に光るさっきの紙吹雪 気付かず君は愛を歌って
③
ひび割れた液晶 偶像(きみ)と目が合えば
伸ばす手掴む手 なれの果てまで
④さすがに上の句まるごと引用なのも、版権的にも微妙では?となり、
検索できる範囲ですが広辞苑含め、他の辞書と表現が被らないように上の句を修正しました。
・【①偶像。②憧れや崇拝の的。】君の名は“愛”の同義語
・【①偶像。②憧れや崇拝の的。】君の名は“永遠”の対義語
この辺りのサイトを参考にしました。
【推敲】
あとは微調整……………なんですが、ここがま~~~~~~修羅場でした。
①下の句がしっくり来ない。
もう少し臨場感?が欲しい。
と思って試行錯誤。
結果として、実際に自分がコンサート(ドームとは別の公演)で矢花さんを見た時に、照明を浴びて光る茶髪が綺麗だったのでそれを織り込むことにしました。
短夜に踊る二百の星 染めた毛先が光る 僕の道標(ポラリス)
「短夜」「星」といったファンタジックな単語と、「染めた毛先」というリアルな描写がいいじゃん!となり、最有力候補に。
この夏の矢花先生の髪色って普通に見ると暗めの茶髪だったんですけど、
照明が当たっているのを客席から見上げた瞬間だけワントーン明るく見えて、
現場でしか見られない景色だな~とときめきました。
「Fun! Fun! Fun!」〜ALL Johnnys' Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome〜東京ドーム公演より - YouTube
あとさー、顔の記憶って全然残らないよね。
唯一鮮明に覚えていたのが顔でも衣装でもなく、髪の毛でした。
②
まだ君は気付かぬ さっきの紙吹雪 額に光る魔法の名残
また、ここから派生して、「コンサートから一夜明け、荷解きをしていたら、公演中に舞った紙吹雪が鞄から出てきて余韻に浸る」という情景が新たに浮かんでこちらが出来ました。
鞄から落ちた昨夜の紙吹雪 貴方がかけた魔法の名残
③過去作と似ていたのでほぼボツに。
液晶の檻を壊してうつくしく鳴くわたしたち エンターテイナー
(HiHi Jets 井上瑞稀&猪狩蒼弥)
『J31Gate』第13回 テーマ:動物
①でも取り入れた矢花俳句の「短夜」「光」「恋」というフレーズを織り込み、「なれの果て」というワードは縮めて「果て」だけに。
短夜と知りつつ光る戀の果て 黎明(よあけ)よ私死んでもいいわ
・「戀」…「恋」の旧字体。「戀という字を分析すれば いとしいとしと言う心」という都々逸も有名。「恋って使うの恥ずかしい」という自意識のもとこちらの表記に。
・「黎明」…明け方に産まれたという矢花黎さんのお名前の由来になった言葉。
「短夜」の終わりを示す「よあけ」というルビを振りました。
・「死んでもいいわ」…文豪・二葉亭四迷により翻訳されたあるロシア文学の作中のフレーズ。なんか夏目漱石とよくセットにされてるけど全然別物らしいです。
そのロシア文学の原文を直訳すると「私は貴方のものよ」という台詞になるらしく、こっちの意味合いで差し込みました。
正直字面で採用した側面が大きく、別に私は矢花さんの為に死にたいと常日頃思っている訳では無いです(何の注釈?)
④下の句は「愛」か「永遠」か?
という論点のもと、矢花さんの画像を見てどっちの心情になるか検証したところ、「永遠もエモくて悪くないけど、でも愛だな~~~~~」という結論に。
メンバーが「バナさん」と呼ぶ時、
周りのJr.が「矢花」と呼ぶ時、
共演者の方が「黎くん」と呼ぶ時、
そして私達ファンが「矢花くん」と呼ぶ時、
そこには矢花さんへのたくさんの愛が籠められていると思います。
また、調べていると「同義語」を英訳すると「Synonym」と言うらしく、「シノニム」というルビを振ることに。
【①偶像。②憧れや崇拝の的。】君の名は“愛”の同義語(シノニム)
【提出】
残った候補は5つ。
①短夜に踊る二百の星 染めた毛先が光る 僕の道標(ポラリス)
②A:まだ君は気付かぬ さっきの紙吹雪 額に光る魔法の名残
B:鞄から落ちた昨夜の紙吹雪 貴方がかけた魔法の名残
③短夜と知りつつ光る戀の果て 黎明(よあけ)よ私死んでもいいわ
④【①偶像。②憧れや崇拝の的。】君の名は“愛”の同義語(シノニム)
選べない
飛び抜けて良いものが無い
提出締切1日前、急に「なんか全部70点!!!全部つまんねえ!!!!」となって、もっと精度の高い言葉を出力するために7 MEN 侍の、矢花黎さんのライブ映像をめっちゃ見ました。
自分の中にある“アイドルが好き”という感情を研ぎ澄ましていった結果、
もっとシンプルでいいんじゃないか、と思い始めました。
そして『J31Gate』参加時における私だけのあるあるとして
「投稿フォームに入力した途端、土壇場で良いものが浮かぶ」
というものがありまして。
候補作を1つ1つフォームに入力してみた結果、そのあるあるが④の句に発動。
その場で下の句を総取っ替えし、
【①偶像。②憧れや崇拝の的。】君の名をそこに書き足す
いや。まだ直せるな…。
そして
【①偶像。②憧れや崇拝の的。】その先を書き足す仕事
最後の最後、これだ!というものがようやく、投稿フォームの上で出来上がりました。
辞書に載る『アイドル』の定義に新解釈を加えていく。
私にとっては7 MEN 侍が、矢花黎さんがその最前線に立つ人ですが、
読んで下さる方によって違う人の姿が思い浮かんで、きっと広く共感して頂けるのではないかと思い、最終的にこちらを提出しました。
「修正前の方がいい」「他の候補の方がいい」と思う方もいるかもしれませんがすみません!!でも全部正解なので!!!
今回の提出作、選外はイメージ画像をつけてツイート(post…?)もしています。
短歌アンソロジー『アイドルが好き』選外#アイドル短歌アンソロ
— きそ (@ksgw___8) 2023年10月1日
発行おめでとうございます💐 pic.twitter.com/C6YsyUjDmT
【ちなみに(ミニエッセイについて)】
また、今回『短歌のはなし』というコーナー名で、『J31Gate』に寄稿した過去作について取り上げています。
今度こそ きみのうちわを胸に抱き 降りてみたいの後楽園駅
この夏、後楽園駅で体験したちょっと不思議な出来事のお話です。
書ききれなかった裏話でいうと、この短歌自体は『乗り物』がテーマの回で載せて頂いていて。
実はその前の回(テーマ『時間』)でこんな短歌を出していました。
総武線各駅停車を待っていた あの頃よぎって離陸五秒前
これを出した翌月に『乗り物』テーマの短歌の募集が始まってしまって、「もう乗り物短歌の引き出し無いよーーー!!!」となりながら捻り出した、という背景があります。笑
今となっては私の代表作と呼んでもいいかな…っていうくらいの存在感がある短歌になりました。
ミニエッセイ、私以外の皆さん敬体(ですます調)で書いてて、私だけ常体(~だ、~である)で書いてて偉そうですみません。
・提出した原稿をよくよく読み返してみたら全然短歌の話をしていなくて、ヤバいぞ……?!?!、となった
・プロフィール欄に『偶像たちが目にしみるというブログをやっています』と書いたのに全然更新していなかった
以上2つの理由から、この記事を書くことにしました。
1つの企画に対して過剰なほど全力を注ぎ、選外をまとめた画像を作って載せ、メイキングブログまで書くって矢花担タレすぎるのではとふと思ってめっちゃ恥ずかしくなりました今。矢花さんは楽器演奏・編曲・動画編集(+ブログでの解説)をやってて労力は比べ物にならないけど。
でもここまで書いたので公開します。
ああでも無い、こうでも無い、と言葉を取っ替え引っ替えする時間を過ごせて、凄く楽しかったです。
久々に、「悩む」という動作をやった気がします。
矢花さんは音楽のことを「時間を忘れて、無心になって没頭できるもの(意訳)」とよく形容しているんですけど、私にとってそれは“言葉を記すこと”です。
野暮なことを言ってしまえば、これだけ必死に言葉を捏ね回したところで矢花さんには一銭も入らないんですけど。
「アイドル」を題材にした短歌の制作に向き合ったことで、巡り巡って「自分を推すこと」に繋がったように思います。
“自信”という言葉の存在ごと忘れかけて、ただ消耗していく日々の中で、そうだ、私には言葉があった、短歌があった、と久々に思い出せました。
『J31Gate』への参加もしばらくしていなかった中、私の短歌を覚えていて下さり、お声掛け頂けたことがすごくすごく嬉しかったです。
今回のアンソロジーはジャニーズだけでなく、他事務所や二次元、VTuberなど、ここ数年でぐ~っと間口が広がってきた『アイドル』について取り上げているとのこと!
参加者としてだけではなく、読者としても公開を心待ちにしていました。
日々、不安になったり、考え耽ってしまうニュースが立て続いているこの頃ですが、私含め、たくさんの方々の“アイドルが好き”という真っ直ぐな気持ちが詰まった、花束のような歌集になっています。
企画が始まった頃は、“アイドルが好き”と表明することにこんなに葛藤が生じてしまう日々が来るとは思ってもみませんでしたが、今このタイミングで発行されてよかったなと思います。
匿名メッセージツールは随分前に辞めてしまったので、感想がありましたら企画ハッシュタグにて書いて頂けると嬉しいです。圧をかけたくないので私からいいねやリプはあんまりしないと思いますが、見ます。
「なんか好きかも」とかでもかなり嬉しいです。
【関連記事】
以前『J31Gate』に寄稿した際のメイキング記事です。
今回は結構感覚で進めたところが多かったのですが、こちらの記事の方が順序よく、理論立ててやっていた感じがあります。
よければこちらもご一読ください。
長文散文でしたが、ここまでご覧いただきありがとうございました!
そして最後に、本企画の主催者・鷹野さんへ超特大の感謝を💐
企画・編集、おつかれさまでした~~~~!!!!!