偶像たちが目にしみる

月火水木金土日以外で会おうよ

大博打(HiHi Jets『BINGO』横浜)

イカードとは、手札5枚が全てバラバラの数字でスートも揃っていないハンドです。

──ハイカード ポーカーの役を覚えよう! | オンラインカジノ情報は『カジコン』

 

お邪魔してきました、「HiHi Jets Arena Tour 2024 BINGO」!

私は髙橋優斗さんのオタクを一時期やっておりまして、HiHi Jetsを生で見るのは2021年の「五騎当千」以来です。

 

全体的にカジノのようなコンセプトが敷かれている本公演。

開演時のOP映像は5人の写真と名前がトランプ(ポーカー)風に加工されていました。

そしてスロットのようなセットの下から5人が登場!


1.Hi Hi Let's go now

公演終わってからも1番脳内で流れてる曲。

振付は確かオタクも一緒にやれる系だったけど、出来なくても楽しい!

HiHiのライブといえばHiHi Jets(曲)が圧倒的だったけど、今回の公演のコンセプトから見てもこの曲が1発目で大正解だな~!と思いました。

 

2.$10

宙を舞うドル札!!を必死に掴もうとするオタク!!

ここまでで完成する演出なんだな…と思いました。

フォロワーさんがゲットできてたので実物を見せて&触らせてもらったのですが、サイズ感も紙質も結構ちゃんとお札だった笑

涼さんが「愛はどうしてお金がかかるんだろう?」って歌うたびに「本当にねー」と言ってしまう。

 

3.だぁ〜くねすどらごん

歌詞も順番ももう全然分からなくなってしまいました──

久々に「ゆうぴー」って叫べて楽しかったよ~~五騎は発声だめだったからね…。

お名前コール後の一言は

瑞稀「愛し合おうぜ、横浜!」
猪狩「もっと興奮させてくれよ」
髙橋「可愛い声もっと聞かせてよ!」
橋本「甘えてんの?」
作間「まだまだ行けるだろ~!」

 

4.FRONTLINE

優斗さんパートの「ぶっ潰せよ」が大好きすぎる。

マフィアみたいなコートを着てたんですけど襟元がモコモコしててかわいかった。


5.BOOOOOST UP!!!!!

景気がいい~~!!

 

6.two(作間ソロ)

イントロがかかり始めた時点で客席の雰囲気がキュッと引き締まる。

ただ歌とダンスのレベルが高いだけではなく、そこに大野さんへのリスペクトが乗った、作間くんならではのパフォーマンスでした。特にサビ前のロングトーンは鳥肌立った。

もう(今は)ステージにはいない大野さんの姿を今でも追いかけているような、青い切実さが指先に、眼差しに宿っていた印象です。

 

7.kissから始まるミステリー(髙橋ソロ)

髙橋優斗さんがソロ曲選曲大明神なことをすっかり忘れてました。

なんかしばらく瑞稀に見えてボーッとしてたら連番してくれたフォロワーが教えてくれた。

不思議の国のアリスの帽子屋みたいな衣装で、ステッキ片手にステージを舞う。

(いまも同じことを思っているかは分からないけれど)数年前「ステージ上で死ねたらアイドルとして最高」と言った人が甘くかろやかに歌う、「誰かぼくの胸のナイフを静かに抜いてくれ」の重みがすごい。ステージ上で死にたいという君の最高で最悪の最期のために、私にトドメを刺せと申すか?

胸だけではなく、その身体の至るところに刺さったナイフが見えるかが優斗担になるかどうかの分水嶺かもしれないな、と思いました。

これが金田一就任の盛大な伏線だったらどうしようね。

 

8.NEVER STOP-DREAMING-

西寺郷太ニキの神曲

天井から降りてきたシャンデリア型の装置に吊られるようにしてフライング。

 

9.ZENSHIN

やりたい放題。猪狩さんが涼さんを押し倒してる反対側で、瑞稀が優斗さんのシャツ全開にしててめちゃくちゃだった。

 

10.lazy(猪狩井上ユニット)

「ENTERTAINER」同様、2人が横並びになって椅子に座って歌う。衣装も映像も近未来な雰囲気で、猪狩さんはVRゴーグルみたいなものを着けてた。

等身が似ていて顔の系統が真逆なので、コンセプチュアルな楽曲がすごくハマるペア。STARTO社の電影と少年CQになろう。

 

11.care(橋本ソロ)

ギターを持って登場。

「先ほど…猪狩に服を脱がされました(客席笑う)…何笑ってんだよ?

この曲は前に侍の今野さんがカバーしていたのですが、今野さんのcareは高校生が若さゆえにお互い傷つけ合い縋り合いながら恋を育んでいく感じ(でもどっちかが東京の大学に進学して破局する)。

涼さんのcareはちゃんと23歳の、お互い社会や恋愛の酸いも甘いもある程度分かった上で、未来を見据えて手を取り合っている感じ。何でかね。涼さんの方が今野さんより年下なんですけどね…。すべて個人の所感です。


12.baby gone

リミックスぽい感じ。この曲の猪狩さんのラップがすごい好きなんですけど、多分当時15歳?で書いてて今でも全く青臭く聴こえないのすごい。


13.純情ウォーアイニー

めっちゃ好き。いつか7 MEN 侍の「さよならまたねもうちょっと」とフェ~レンザイ交換メドレーかリミックスステージをやってほしい。

ローラー履いて花道を疾走。終盤では優斗さんを先頭に他4人が縦1列に連なってセンステへ。(4人の重さでなかなか前に進めず、必死の形相)

 

MC ※ニュアンスです

「足が……足が動かない……(メンバーに)太ももの裏が脈打ったことある?」

疲れ果ててステージに足を放るようにしてへたり込む優斗さん。(IKEAのクマのぬいぐるみとか言われていた)

HiHi Jetsですって言った?」(ぴ~)

「言ったよ」(そや)

 

今日、雨です!!HiHiのライブ始まったなって感じするよね」(そや)
※横浜公演4days、この日だけ異様に寒かった。
「土曜だから遠くから来てる人もいるのかな。昨日ホテルで湯船浸かったりとかしてね……………湿気です!!!髪、バッサバサ!!!!!!(目ガン開き大煽り顔)」(Garry)

「初日は晴れたんだけどね」(みじ)

精鋭が今日来てる?」(Garry)

「俺、プライベートで旅行とか行っても雨降ったことない」(作)
「俺も個人の仕事の時『晴れ男だね』ってよく言われる!(優斗さんに)晴れ男って言われたことある?」(涼さん)
ない」(精鋭)
YouTubeで富士山登った時もさ、日の出をみんなで見ようってなって。そしたら優斗が歩いてくるのと同時に怪しい雲が出てきて……」(作)

信じたくない色の雲がね」(涼さん)

 

「みんなは春休み?有休?……あ、土日だから普通に休みなのか。週休2日ってやつね!」(そや)
「週休…2日…?!😳(信じられないという表情)」(涼さん)

「でも、その代わりに満員電車に乗るんだよ」(そや)
「あぁ~~~~wwwお疲れ様ですぅ~~~www😄」(涼さん)

満員電車といえば、と猪狩さん。

冠番組「Hiしか言いません」の収録の為にテレ東のスタジオへ向かおうとした時のエピソードを。
「普段はタクシー乗るんだけど、その日は電車で行こうと思って。そしたら通勤ラッシュでめっちゃギュウギュウで、『ドアが閉まります』ってタイミングでドン!ってホームに押し出されたの!ヤバくない、日本?!」

無情にもそのまま扉が閉まり、ホームに取り残された猪狩さん。仕方なく次の電車に乗ることに。

「駅に着いたのが入り時間ギリギリで。走ろうと思ったらコミケやってんのか?!?!ってくらい混んでんの!こればっかりは日本が悪い!社会が悪い!!」

猪狩さん的にコミケが大混雑の象徴なんだ

 

「今回、優斗のソロ(キスミス)めっちゃ良いよね」(Garry)
「『BINGO』だからショーっぽい感じにしたくて。『グレイテスト・ショーマン』みたいな。KinKi KidsさんのYouTubeに上がってて『コレだ!』ってなって、今までで1番すんなり決まった。初めてメンバーから反対されなかった!」(ぴ~)

youtu.be

(おまけ)達郎さんが歌うキスミスをNightTempoがリミックスしたやつ

 

最後の告知コーナーでは、まずは冠番組「Hiしか」、ラジオ「ハイラジ」、テレ朝「カクエキ」などのグループ事から始まり、瑞稀出演ドラマ「95」、猪狩さん出演映画「先生の白い嘘」とZIP「キテルネ」など個人のお仕事も宣伝。

いがさくが大玉チョコボールのCMやってます~と言ったとき後ろで大きく大玉チョコボールのポーズ🙆‍♂️してた優斗さん可愛かった。

 

公演もいよいよ後半へ。

袖から大きなビンゴカードが運ばれてきました。

マスには数字ではなく、文字が書かれています。

 

音響ですが

マイク雑に

扱う★のや

めてくださ

い壊れます

 

※★は中央のフリーマス。実際はツアーロゴ。

 

「誰?!?!」「本当に音響さん?!?!」と騒然とするローラー履いてる問題児たち。慌ててマイクを丁寧に両手持ちし始めます。

 

公演名にちなみ、箱に入ったカラーボールを取り出し、書かれている文字のマスを開けていく仕様。使ったカラーボールは客席に投げてプレゼント。

マスの外側には曲名が書かれており、ビンゴになった列に書かれている曲を毎日ランダムで披露!という企画です。

候補は15曲。それでも入りきらない曲がある恐ろしさ。

 

リーチが続いて結構接戦でしたが、選ばれたのは「情熱ジャンボリー」!

 

14.情熱ジャンボリー

Aメロの合いの手を入れてる人が周りにあんまりいなかったな…

優斗さんパートの「明日にゃ僕もヒーローさ」で優斗さんを指すやつ久々にできて楽しかった!

 

15.となり

いい歌(いい歌)。

 

16.PAPPET(井上ソロ)

2010年代のボカロ曲っぽい趣もあって郷愁を感じました。

こういったコンセプトの曲で独り善がりにならない絶妙なバランスでショーに落とし込めるのは凄い。

瑞稀ソロの質感、1582辺りから一貫していてすごい。それでいて毎回新鮮。


17.Crazy Accel 

元えび担私、比喩ではなく本当に頭を抱えてしまいました。

初日ではバク転やってたらしいけど、アクロバットに不慣れなメンバーもいて安全面を考慮したのか、私が見た公演では側転だけになっていました。


18.Fly 

ネバストで使用したシャンデリア型の装置が再び登場。

3階レベルの高さでマイケル・ジャクソン風に身体を傾けててすごすぎる!!

 

19.Mrs.Flamingo (髙橋橋本作間ユニット)

スクリーンに突如流れ出すある鳥の生態。

鮮やかなピンク色の羽に、すらりと長い身体──そう、フラミンゴ。

野生のフラミンゴは日本には生息していないとされてきましたが、何と今日‼️奇跡的に‼️横浜にフラミンゴがやって来たとの知らせが‼️

みんなで元気よく呼んでみよう‼️

\フラミンゴさ~ん‼️/

同じエリアの作間担さんがこの曲だけ双眼鏡使ってなくてなんか私が申し訳なかったです。

これってシリアスめの作詞への布石じゃないですよね。次のツアーで「前回フラミンゴで皆さんから賛否両論を巻き起こしてしまったので笑笑、髙橋優斗今回は真面目に歌詞を書きました!」とかさ、ないよね?


20.luvitch (猪狩ソロ)

ステージ上に現れたガラス張りのドーム。

中には猪狩さんとグランドピアノ。

叙情的なピアノの調べとともにドームは加速しながら回転し、その姿を責め立てるように深紅の花弁が荒々しく舞い、モニターには陰鬱とした雰囲気のリリックが矢のように降り頻る。

挑発的で高潔な既存楽曲のイメージを覆す、シックでビターな恋のエレジーでした。

 

21.Dear WOMAN 

今回連番してもらったフォロワーさんの結婚式で流れた曲だったので個人的にテンションが爆上がりした。

「君こそ我が誇り」で、白く灯したペンライトの先でゆうぴーを指せたの楽しかったな。


22.Oh Yeah! 

クリエで聴いていた印象が強い曲。

そこからEX、代々木、と会場が広くなっていくにつれて、客席から手を伸ばせば握り返してくれるような距離にいた彼らがあっという間に遠くなっていって、とても感慨深いです。

私は東京ドームの天井席からHiHi Jetsを見るのが夢だからよ…。

 

~挨拶~

懐かしい楽曲を歌った後だからか、クリエ時代の話をするメンバーが多かったです。


23.HiHi Jets to the moon


24.HiHi Jets

彼らの原点であり、制服であり、名刺でもある楽曲。

ちょっと涙目になりながら観ていました。


25.TODAY

新曲。 

重低音がドンドン心臓に響く。

 

EC1.JET


EC2.PikaPika

 

まとめ

多数のオリジナル曲を持つ彼らがコンサートのセットを作るとき、自分達の曲を候補から外してまで先輩グループの曲のカバーを織り込むには、より一層の理由や意義が求められるのではないかと思います。

今回5人での披露曲として曲が選ばれたのは、SMAP、嵐、A.B.C-Z

いずれもHiHi Jetsと同じく5人体制での活動が印象的なグループです。

SMAPの革新。

嵐の大衆性。

A.B.C-Zの伝統。

3グループそれぞれのカラーを受け継ぎながらも、自分達の色を綺麗にマーブルさせた、高い完成度と統一感のある公演でした。

SMAPや嵐に比べると、HiHi Jets×A.B.C-Zって何となくイメージが薄かったのですが、よくよく考えてみると接点や共通点が結構あるのかも。

グループ発足からしばらくはメンバーが流動的で、固定の4人で活動していたところに最年少メンバーが加入してグッと加速した感じとか。

HiHiの客層でクレアク知ってる人なんて少数派だろうに、A.B.C-Zの曲でももっと知名度がある曲や魅せやすい曲があるだろうに、敢えてCrazy Accelという曲を選んだのがHiHi Jetsの面白さであり、面白くなさ(顧客満足ばかりを優先させない、一筋縄では行かないという意味で)だなと思いました。

公演の規模やセールスだけではなく、事務所の歴史を尊重し、継承していく存在であり続けたい、というような熱意を邪推せずにはいられないというか。

本人たち的にはそこまで考えずに、ただ好きだから、カッコいいから、という選曲理由だったかもしれません。

それでも、受け取った側の1人が「この人たちはファンから求められるものばかりではなく、自分達の決意表明に1曲分の枠を使ってくれたんだな」と思い込める時点で十分『勝っている』セトリだと思う。

 

来歴も容姿も性格もバラバラだった彼らが、その身と人生を賭け代に挑んできた大博打。

アリーナを埋め尽くしたたくさんの歓声は、彼らがその手で勝ち取ってきたベネフィットです。

 

バラバラのハイカードがロイヤルストレートフラッシュに変わる日は、そう遠くないと感じられる公演でした。

 

 

せめて祈りの花になる(舞台「う蝕」感想)

※本投稿では、作品の内容についての言及がございます。

 

三軒茶屋・シアタートラムにて舞台「う蝕」を観劇してきました。

ファンを名乗れるほどではありませんが、綱啓永さんの顔とお芝居が好きで、いつか舞台で拝見したいな~、でも今映像作品に引っ張りだこだもんな~…と思っていた矢先に上演発表されたこの作品。

あらすじは以下の通りです。

日本のどこかにある離島・コノ島
ある日、コノ島を謎の土砂災害が襲う。
虫歯のように局地的な地盤沈下は「う蝕」と呼ばれ、歯科治療のカルテと犠牲者の身元を照合する為に4人の歯科医が集まった。
まずは地元の開業医・根田(新納)。
根田の依頼で本土から派遣されてきた加茂(近藤)と彼を慕う木頭(坂東)。そして同期の木頭を追って剣持(綱)がやって来る。
しかし、待てど暮らせど、土砂を掘り起こす作業員がやって来ない。
いつ次の「う蝕」が発生するか分からない中、本土の役所から佐々木崎(相島)がやって来る。歯科医達に早く本土へ避難するよう説得する佐々木崎だが、根田たちは拒否する。
そんな中、白衣姿の謎の男・久留米(正名)が現れ、言う。
この中に、ここにいるべきではない人間が混ざっている」──。

 

 

戯曲について


「う蝕」という、震災を想起させるような架空の自然災害を描いた本作。
稽古期間中に発生した能登半島地震に際して、このようにアナウンスされています。

 

能登半島地震が起きたことにより、災害を想起させるような表現や内容を含むこの作品を、上演するかどうかから改めて協議することになりました。その結果、作品の根源はそのままに、戯曲を見直して上演することにいたしました。
(中略)
被災された方々に寄り添った作品となるよう、キャスト・スタッフ一丸となって創作を進めています。作品を通して、少しでも被災地へと気持ちが通じる体験となれば幸いです。

──公式HPより

『う蝕』 - 世田谷パブリックシアター

 

軽妙な会話の中に、観客の胸に問い掛けるような強いメッセージ性が覗く戯曲。時系列や幻覚?が入り雑じったり、シリアスな場面でもコミカルな台詞が入ったりするので、好き嫌いというか、この舵取りについていけるかどうか分かれるかもしれません。

戯曲自体がゆっくりと大地が沈下する「う蝕」のように、いつの間にか伏線を忍ばされ、展開が移り変わっていくような印象を受けました。

どこまで意図されたものかは分かりませんが、「蝕まれている(虫歯)」、「罰してほしい(抜歯)」みたいな歯ワード(?)が随所に散りばめられていたり。

以下、印象的だった箇所をピックアップしていきます。

あるのかないのか分からないもの

劇中、「あるのかないのか分からないものに振り回される」というやり取りが何度か繰り返されます。
島内での自分の立ち位置に迷い続ける根田。
歯科医という立場を超えた強い使命感に駆られる加茂。
不自然なほど終始明るく振る舞う木頭。
自分の名前を正しく呼んでもらうことに執着する佐々木崎。
罪滅ぼしに島へやって来た剣持。
白衣という権威の象徴をまとった久留米。
6人全員、それぞれ目に見えない概念やしがらみに囚われています。

特に終盤、根田が吐露した「どう思ったらいいか分からない」という言葉。
この台詞が絞り出された瞬間、ずっとのらりくらりとかわされて見えなかった物語の芯のようなものがようやく姿を現して、ギュッと胸の奥を掴まれるような感覚になりました。


根田の状況からは飛躍するけれど、昨今は気の利かない愚か者を吊し上げやすい世の中になって、街には賢くて優しい人が増えて。私には、それがちょっとだけ、しんどい。


そんな私のしんどさに、「う蝕」前の島を知る唯一の人物であり、これまで頼もしく見えていた根田先生が初めて見せた葛藤が共鳴したのがあの台詞でした。


どう思ったらいいか分からない。それもひとつの感情で、誰の許可も、採点もないはずなのに、根田先生は、私は、一体何を恐れているのか。

カノ島

本作の舞台となる「コノ島」の少し先にある「カノ島」。
かつて流刑地とされていた名残から今は刑務所が建っていて、囚人達を人として扱わない、かなり劣悪な環境なのだそう。
「う蝕」が起こるなら、コノ島ではなくカノ島の方が──。根田のその台詞に頷きかけた自分にゾッとする。

 

「ここにいるべきではない人間」とは誰か

この中に、ここにいるべきではない人間が混ざっている」。
久留米が全員を前に告げた台詞です。
シンプルに考えると佐々木崎のことなのでしょうが、加茂&木頭のことのようにも、剣持のことのようにも思えます。
あるいは、久留米自身のことのようにも。

 

演出/舞台美術について

耳鳴りのような、ブザーのような、プロペラ音のような、暗闇の中でヴゥゥゥゥゥゥン……………という低い爆音から始まって思わずビクッ!とした。

箱のように閉じられていたセットがゆっくりと開かれ、中から荒廃した「コノ島」が現れます。少し傾斜のある八百屋舞台。
2回のセット転換はキャストさんが行い、新納/相島/綱or正名で足元の瓦礫シート(何かで床に貼り付くようになってて、それを3人で一斉にベリッと剥がすのがかっこよかった)、坂東/近藤でベンチを移動。

青いバンダナ
初めは木頭のリュックに着けられていたのが、いつの間にか根田の腰に。
ただ木頭のその後を決定付けるためのものなのか、それ以上の意味合いがあるのか。

服の汚れ
6人の衣装にはそれぞれ汚れがあり、黒い染みがついている人と、白い染みがついている人とそれぞれ。この違いが後に効いてくる。
そして綱啓永にむちゃカッケえブラックのスリーピースのスーツを着せて頂いて本当に本当にありがとうございます。

沈丁花
島内のお寺に咲き誇る沈丁花を持ったり、手離したりするたびに毎回鈴の音のようなSEが鳴る。この沈丁花の有無が、舞台にある仕掛けを施します。

観劇を終えて振り返ると、衣装然り音響然り、親切な演出だな、と思いました。
みんな引っ掛かりは覚えるけれど、それが何かはすぐに分からない。
全て見終わってから「そういえば、あれって…?!」というカタルシスを与える構成になっていました。

作品によっては伏線を凝りすぎて観客に伝わらなかったり、明け透けすぎてしまったり、なかなか難しいと思うのですが、絶妙なバランスだった。

 

キャストについて

坂東龍汰さん(若手歯科医・木頭)

「夢中さ、きみに」の目高くん…!!!!「初恋F」のノジ…!!!!
以前から気になっている俳優さんだったので、生のお芝居が観られて嬉しかったです。

最初に台詞を発するのが木頭くんなのですが、「何してるんですか」というたったその台詞、それだけで一瞬にして劇場内を掌握したの凄すぎないか?26歳?舞台2作目?はあ???????

不穏な世界観の中で木頭だけがずっと明るくて、ずっとうるさい。
坂東さんがあまりにも軽やかに生き生きと木頭としてそこにいたので観劇中は感じなかったけれど、戯曲の仕組みを理解してから振り返れば、難しい役柄だったと思います。

同世代の俳優さんの中でも、能天気だけどどこか儚げな青年の役をやらせたら坂東さんの右に出る者はいないな…と改めて実感しました。

同期役の綱さんとのやり取りが可愛かった。剣持にジャケットかけられるところ好き。

 

近藤公園さん(堅物歯科医・加茂)

玉川区役所 OF THE DEAD」のお兄ちゃん!!!!(初めて認識した作品を言うシリーズ?)

終始至って真面目なのに、観客からはその姿がコミカルに映る。この絶妙な塩梅は公園さんならではだな~と思いました。

ぬかるみに足をとられる場面では、後転の途中みたいなすごい体勢をしてた。あんなん毎日やってたらどっかの骨とか関節とかイカれませんか???大人計画の俳優さんは特別な訓練を受けているのでしょうか???

とか考えてたら一転、ラストシーンで言葉を失った。あの台詞に、あの仕草に、どんな意味があったのか。何も考えずに笑っていた自分が少し怖くなる。

 

新納慎也さん(島唯一の歯科医・根田)

新納さんは勿論存じ上げていましたが、ちゃんとお芝居を拝見したのは本作が初めてでした。

華やかなルックスを活かした役柄のイメージとは異なる、飄々としていながらも哀愁を湛える根田先生を好演されていました。

冒頭、台詞はなく、新納さんがただゆっくりと木材を抱えて出てきただけで一気に惹き込まれた。
気丈に振る舞いながらも胸の内では葛藤を抱える根田先生を、愛らしいキャラクターとして息を吹き込む新納さんのお芝居にすっかり魅入ってしまいました。

 

相島一之さん(全身ボロボロの役人・佐々木崎)

名脇役 名前」で1番検索されている人だと思う。今度こそしっかりお名前覚えました。

もうこんなベテランも大ベテランの俳優さんに言及するのも烏滸がましいのですが、この「う蝕」の大黒柱とお呼びしても過言ではない…。
まず初めに新納さんが観客を惹き込み、これから何が起こるのかと不穏な空気が漂う中、相島さんの登場で何故かちょっとホッとして。

観客の気持ちを和らげると同時に、作品を引き締める。言葉にすると矛盾しているようだけど、確かに成立していました。

終盤、呼び間違えられた自分の名前を訂正するシーンは圧巻でした。どう考えても名前どころじゃないだろ、という場面なのに、至って真剣な佐々木さん(敢えてこう呼ぶ)の姿が滑稽なんだけど壮絶だった。

 

正名僕蔵さん(自称「なんでも科」の医師?久留米)

「パレード」の隣の部屋のラスプーチン!!!!!(僕蔵さんの代表作絶対それではない)

ミスター得体の知れないおじさんの具現化・僕蔵さん(すごく失礼な字面ですが賛辞のつもりです)。今回もそのミステリアスさを遺憾なく発揮していらっしゃいました。

目の前にいるはずなのにどこか現実味が無いというか、呟くような台詞さえも明瞭で、ど、どうなってるんですか……?不思議だ…

フルート…?!(※以前映画でフルート奏者を演じたそうです)(とはいえ今でも身に付いてるの凄いな)(やはり大人計画の俳優さんは特別な訓練を……)

 

綱啓永さん(お坊っちゃま歯科医・剣持)

顔がさ~~~~~~~~~本当にかっこいいよ~~~~~~~スタイル良すぎんぜ~~~~~~~頭ちいせ~~~~~~~泣……………。

スリーピースのスーツ姿がも~~~本当に麗しくて麗しくて……。1分1秒360°かけがえがないよー(;_;)
きっちりとセットされた前髪が次第に崩れて目にかかるのもめっちゃ好きでした。

すみません。顔の話ばかりしてしまいましたが、顔以上に私は綱さんのお芝居がすごく良いなぁと思っておりまして……。

凛としていながらも可憐で、剣持というキャラクターを演じる上で不可欠であろう「嫌みのない育ちの良さ、品の良さ」を纏う姿が素敵でした。

今回に限らず、役と綱さん自身のパーソナリティがちょうど交差する地点をずっとキープし続ける、みたいなお芝居をやっている印象です。

今のJKはみんな綱啓永が好きだから(そうなの?)ドラマとか映画とか映像仕事を頑張った方がいいのかもしれないけど、これからも定期的に舞台をやり続けてほしい。

今回SNSで感想を検索してみると、初めて演劇を観に行ったという綱さんファンの方々の投稿がいくつもあって、綱さんのおかげでたくさんの人の世界が広がっていくさまが素敵だなぁと思いました。

映画2本のプロモーションと並行しながらの舞台出演、本当にお疲れ様です。

 

シアタートラムについて

ロビー~客席までの間の通路が鏡張りになっており、非日常への連絡通路のような感じがしてちょっと感動しました。


「う蝕」に関しては、前方にせり出す形のステージになった都合で前列中央の辺りの座席が無く、約200席+トラムシートという立ち見のような席での観劇。

座席間隔が前後も左右も結構狭いのですが、その割に座り疲れが無いな…と思ったらエアウィーヴのクッションが導入されているそうです(!)


俳優さん達の息遣いまで届くような、開演前から独特の緊張感が流れる劇場でした。シリアスめなシーンで2mくらいの距離で好き顔ボーイ(♡綱啓永さん♡)と向かい合ってこの顔になりました。

M-1決勝進出決定で処理落ちするヤーレンズ楢原さん(左)

 

まとめ

桜の樹の下には屍体が埋まっている。

そんな一節から始まる、梶井基次郎の小説を思い出しました。

本作の舞台である「コノ島」は沈丁花の名所とされており、作中でも沈丁花がキーアイテムとして登場します。

「う蝕」によって島民たちが地の底に埋もれていく中、変わらず美しく咲き誇る沈丁花

果たしてそれは島に残る僅かな希望の象徴なのか。
それとも……。

そんな中、なぜ自分が生き残ってしまったのか。

葛藤し、心を蝕まれ、自分の気持ちを見失う根田にある人物がかけた言葉。


祈ればいい。

それは自己満足や、逃避や、気休めかもしれない。
人の傷を、死を越えていくことが、たとえ他人からは、屍体を喰って咲き続ける花のように見えたとしても。

せめて、もう謝ることも守ることもできない人達に手向ける祈りの花の一輪になりたい。


そう思いながら生き続けることは、正解でこそないかもしれないけれど、決して間違ってもいないと思う。


さまざまな意味でタイムリーな作品に出逢うことができました。

東京公演お疲れ様でした。

地方公演も無事に走り抜けられますように!



【公演概要】
会場 シアタートラム
公演日程 2024/2/10~2024/3/3
上演時間 約1時間45分(休憩なし)

【キャスト・スタッフ】
作 横山拓也
演出 瀬戸山美咲
出演 坂東龍汰 近藤公園 綱啓永 正名僕蔵 新納慎也 相島一之
美術 堀尾幸男
照明 齋藤茂男
音響 井上正弘
衣裳 髙木阿友子 
ヘアメイク 大宝みゆき
演出助手 須藤黄英
舞台監督 田中直明

 

【関連リンク】

setagaya-pt.jp

sparkle-stage.com


www.youtube.com

 

【余談ですが】

終演後、余韻を抱えたままフラフラ歩いてたら辿り着いた「せたパン」さんがとっても素敵だったので記しておきます。(めっちゃ有名だけど)

san-tatsu.jp

気さくな店主のお父さんとリーズナブルで美味しいパンの皆さんのファンになりました。また三茶にお芝居観に行ってここで次の日の朝ごはん買って帰るコースにしたい。

世田谷線は小さくてかわいくてアトラクション乗ってるみたいだったし(招き猫のやつ乗れたよ!)、同じ時期にやってた梅祭りも楽しかったな。

つなさん素敵な街に連れ出してくれてありがとう💐

ペンシル手繰るスペクタクル(『櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!』感想)

立川市・PLAY! MUSEUMで開催中の櫻井翔 未来への言葉展」へ行って参りました。

生まれてはじめて好きになったアイドルによる個展。しかもテーマは「言葉」ときたものだ。私が行かなくてどうする、きそがわ。

昨年六本木で開催されていた時は都合が合わなかったのですが、今回ようやく行けました。

※以下、展示内容に関する記述がございます。

 



開館する10時~のチケットを取りましたが、外で少し待機。中に案内されたのは10:15頃でした。

まず受付をしてもらうのですが、FC枠か一般枠かでカウンターが分かれています。
FC枠用カウンターは複数台ありましたが、一般枠は1台のみでした。

コインロッカーも結構あったので、コートや荷物を預けてゆっくりご覧になりたい方も安心。

受付では、この後の展示で必要になるものを渡されます。
・特設カフェの利用チケット
・ことば工場カード(詳細は後ほど)
・『M』のマークのステッカー(ミュージアム展示を見に来たお客です、という印。帰りに回収されます。バッグに貼ってる人が多かった)

受付を済ませると、早速カラフルなエントランスがお出迎え!

左端の青いカードが「ことば工場カード」。サクラップの歌詞がランダムでプリントされており、私は「Attack it!」のこの1節でした!!



 

 あなたに向けて書いてきた。これからも、書いていく。──『オトノハ』

 

フロアに入ってすぐの場所に設置されたスクリーンでは、櫻井くんからの動画メッセージが流れています。

初めて乗る路線、初めて降りる駅、会場に辿り着くまでも少し迷ってしまって気持ちが張っていたので、櫻井くんの声を聞いた瞬間ホッとしてちょっと泣きそうになってしまいました。


WEB会員サイトにて2008年より定期更新が始まった櫻井くんのブログ、『オトノハ』
櫻井翔の言葉、というものを語る上では欠かせない、彼にとってライフワークと言える位置付けではないでしょうか。
まずはここで、15年分の連載の歴史を振り返ることから、櫻井翔が綴る言葉の旅が始まります。

長~~~いレシートのようなものが、壁を覆うようにしていくつも垂れ下がっている光景は壮観。
表面をよく見ると、びっしりと印刷された文字。全部「オトノハ」のバックナンバー!!その数、なんと200編以上だそうです。

 

中でも、お誕生日やターニングポイント的なお仕事にまつわる回は、大きくて赤い紙に印字されています。

特に印象的だったのは、2017年9月15日更新の「伝える」。

アイドルとして活動する傍ら、報道に携わることに対する葛藤や決意を綴った回です。

 

知ることはきっかけになる。

知ることは抑止力になる。

知ることは背中を押してくれる。

知ることは勇気を与えてくれる。

──『オトノハ』2017年9月15日「伝える」より抜粋

 

 

想像の向こう向こうへと──『ことば工場』


入場時に1人1枚ずつ手渡される「ことば工場カード」。

裏面にはQRコードが印刷されており、専用の機械にかざすことで、装置が稼働するという仕組み。

5枚のカードをかざすと、そのリリック達を櫻井くんがいい感じに組み合わせて歌ってくれるというもの。昔流行ったオシャレ魔女のカードゲームみたいな機械でワクワクした!

ぼっち参加だったので5人分集められるか不安でしたが、全然杞憂でした。(みんなガンガン読み込ませていくから)

カードを読み込ませるごとにメカ・櫻井くんが「おっ?」「ふ~ん」「いいねぇ(吉本荒野の言い方ではなかった)」など反応してくれる。

1個言うと、結構ギュッッとして仕切りがない展示達の中の真ん中辺りに鎮座しているので、シリアスな展示の狭間に「太陽と🎶月だって🎶覆う🎶」とか聞こえてくるの結構カオスである。でもそのごっちゃ混ぜシュールな感じも櫻井くんぽいと思えなくもない。

 

あの人は何のために亡くなったのか。亡くならなければならなかったのか。──『NO MORE WAR』

 

戦時中の日本を描いたドラマへの出演や、海軍士官として戦死された大伯父様の存在をきっかけに、反戦への意識を強め、取材を続けてきた櫻井くん。

ここではその集大成とも言える記事を掲載した「Newsweek」(日本版/2021年12月刊行)と関連資料を展示。

大伯父様が乗っていたという船の写真も見ることができ、戦争は今自分がいる時代と地続きなのだなと実感させられます。

大伯父様が亡くなられたのが、奇しくも今の私と同い年だったことにも心が重くなりました。

 

私は、伝え続けたいと思います──『来年も再来年も』

 

東日本大震災発生間もない頃から被災地へ赴き、取材を重ねてきた櫻井くん。

このブースでは、「news zero」(日本テレビ系)にて過去に放映された映像のダイジェストを見ることができます。


震災当時、私も私で、東北に住む友人達となかなか連絡が取れず、まだ子どもだった為出来ることもなく、不安な気持ちを抱え続けていて。

そんな中、『zero』でヘルメット姿の櫻井くんが真っ暗な被災地から生中継をしている姿を見た瞬間、TVの前で涙が溢れたことを思い出しました。

 

 

君が忘れがちなのであれば いちいち記憶に残る種蒔く──『サクラップサウナ』

 

円状のサウナのような空間に座り、耳で、身体で「サクラップ」を体感できるフロア。

アイドル本人が目の前にいるコンサート中でも、目を閉じて聞き入ってしまう私のために作られたようなブース。

 

櫻井くんによるリリックによって全編ラップ構成されている三大楽曲「COOL&SOUL」、「Re(mark)able」、「Attack it!」が順に流れてくるのですが、全て櫻井くんによる歌唱。

オリジナル音源での他メンバーとの歌い方の違いを味わうのも楽しい!

櫻井くんバージョンも良かったけど、「Attack it!」の「笑顔に紛れた大怪獣」はやっぱりニノさんだな~。

黙って聴いてないといけないんだけど、普通にノリたくなる瞬間が何度もあった。


言葉の「熱」を浴びたあとは、最後は櫻井くんによるピアノ演奏と、本人撮影の風景写真でクールダウン。「顔可愛い~🎶」と「何なんだろうこの時間」がほんのりと心に漂います。

本当のサウナには行ったことがないのですが、なんか「整う」という感覚が分かった気がします。

 

45の言葉を探すのは、もはや脳内小旅行。──『すきのあいうえお』

 

2023年春に同会場にて開催された、詩人の谷川俊太郎さんの展覧会での企画のオマージュだそう。

「あ」から「ん」まで、クリハラタカシさんのキュートなイラストとともに櫻井くんの好きなものが、ズラ~~~~リと並びます。

好きな人の好きなものに囲まれる。
こんな最高なことって無い。

 

「昔、番組でやってたやつ!!」という懐かしいものや、「これ好きなんだ~!」という発見、「本当にそれ、好きですか?(50音ひねり出すために無理をしていませんか?)」というものまで、シンプルな企画ながらも見応え抜群。

特に「き」がエモかったな~……。(何だったかは内緒)

 

クリハラさんのイラストも、何気ない単語のものであっても小さく櫻井くんや嵐メンバーがいたり、嵐カラーで構成されていたりと遊び心が散りばめられています。

 

ちなみに真横がサクラップサウナのブースなので、整った方々()が移動してくるとしばらく混雑するのですが、しばらくして次の組のサクラップサウナが始まる頃には1人占めできました。

 

以前の展示のものなのか、コンクリ打ちっぱなしの床に無数のバミリの跡がついたままになっていて、偶然の産物ながらなんとも言えない良い雰囲気を醸し出していました。

 

言葉と音楽と“伝えること”は、いつも自分のそばに──『SHO ROOM』

 

私物を展示。半円型のショーケースは、櫻井くんの好きなスノードームのようにも見えます。

さすがにここが1番居座った展示かも。ノート片手に目を凝らしまくりました。

まずはブログ「オトノハ」の原文をしたためてきた歴代のガラケーとノートパソコン。キーボードの文字掠れて消えたりしてないかなと思って凝視してすみませんでした。

ガラケーは多分、上の画面をグルンッてやってワンセグとか見られるやつ(懐かし!)

 

そして五輪の取材関連グッズ。

取材中のノートも大公開。修正テープの使い方に萌えた。
報道陣用のパスも飾られてるのですがエーーーー!!!!!!!ちょっと!!!!!!!顔が!!!!!!!可愛すぎる!!!!!!!!!!!!!!

 

首からかける、普通の社員証くらいのサイズを想定してたら文庫本の表紙くらいのサイズ感だった。

ものによってアー写だったり、この為に撮ったノーセット姿の証明写真だったりするんですが、全部顔が可愛い。そりゃ海外で「美しすぎるキャスター」でバズるわ。

最後はサクラップ関連。

音楽番組か何かを録画したVHSに「S」というマークが書いてあって、ご家族が間違って上書きとかしないように翔のSを書いておいたのかな、と一瞬思ったのですが、でも櫻井家ってお父様も弟さんも全員イニシャルSではと気付き、じゃああのSは何なんだというミステリーが残っています。

 

そして作詞の手書きのメモ。これは!!!貴重すぎる!!!

メンバー紹介ラップ「La tormenta」。有名なのは「2004」ですが、恐らくその前の「2001」を考えていた時のメモだと思われます。

物持ちが良いでお馴染みの櫻井さんですが、23年前のノートを劣化させず残してるの凄いな。

展示されていたのは潤くんと大野さんの部分のメモでした。「二代目就任金田一」のとこ好きだなー。

 

大好きな「二人の記念日」の作詞メモもあった!!!

接続詞やてにをはなど微妙な違いがあって、サクラップだけの単独展示が欲しいくらい。どういう経緯で歌詞を変えたのか、そういうメイキングも知りたくなった。


ちなみに、私が中学生時代に運営していた櫻井担時代のブログタイトルは「Sho time~火曜日の執事~」でした。(オタクの秘話は不要)

 

『僕です。』

 

「オトノハ」は、毎回この一言から始まります。

「どうも。僕です。」

そんな「オトノハ」のバックナンバーなどから抜粋したエピソードが書かれたパネルが壁に展示されています。

凡ミスをしたり、名前を聞き間違えられたり。
そんな人間が「僕です。」と言うようなエピソードの数々。

生田斗真さんが以前「翔くんはJr.でありながらも普通の男の子でもあろうとしていた」と言っていたのを思い出しました。

秦直也さんによる挿絵も、海外の絵本のような温かみがあってとっても素敵でした。

 

あとブースの隅っこに櫻井くんが愛用している香水が置いてあって、場所的に素通りしちゃってる人がいて勿体なかった。私は肺の底から吸い上げました。なんかフローラルな匂いだった気がする。

 

ありがとうの交換。的な。

プーさんのハニーハント」みたいな、巨大な絵本型のスクリーンに2つのエピソードが映し出されます。後ろに回るとしっかり背表紙もある。

切り株みたいな椅子に座って見ます。

櫻井くんが文、AYAKA FUKANOさんがイラストを担当。

スクリーンのそばには、完成に至るまでの櫻井くんとFUKANOさんの気持ちが綴られています。

お祖母様とのエピソードにほっこりして、嵐メンバーとのエピソードには「これ言っちゃっていいんだ…?!」となって。

山コンビのオタクだったもので、大野さんの優しいエピソードを知られてよかったな。

 

最後に

 

子供の頃の私にとって、櫻井くんは神様でした。
子供の頃の私にとって、櫻井くんの言葉は道標でした。

けれど大人になってからは、櫻井くんの言葉に、その言い方は違うんじゃないか、公の場で言うことではないんじゃないか、と感じることも増えてきて。

でもそれは、櫻井くんが反感や否定を臆せず、言葉で伝えるということに拘り、戦ってきたという証左でもあると今は捉えています。

子供の頃の私へ。櫻井くんは、神様ではありませんでした。

神様ではないから迂回もするし間違う。

でも、神様ではないから辿り着ける正解がある。

 

時にマイク、時に鉛筆と持ち替えながら、櫻井くんだけが手繰り寄せられる景色をこうしてお裾分けしていただけて大変嬉しかったです。

 

長文散文ではございましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

んちゃ。

 

 

【展覧会概要】

wordsforthefuture.jp

櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!

開催地 PLAY!MUSEUM(JR立川駅北口より徒歩10分)

開催日程 2024/4/14(日)まで

営業時間 10:00~19:30

 

【一般枠チケット購入はこちらから】

www.e-tix.jp



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