偶像たちが目にしみる

月火水木金土日以外で会おうよ

来世は不幸になれますように(舞台『幸福王子』)


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限界&厳戒体制の中行って参りました『幸福王子』。パンフレットは観劇後届いたので後から撮りました。

 

 

自担の初 座 長 舞 台

 

 

 

もうこんなん…オタク冥利に尽きますよ…。

 

本髙くんに謁見できるのは『脳内ポイズンベリー』以来。ちょうどその日で公演が中止となった、3/25。
そこから7ヶ月後の公演に馳せ参じて参りました。

 

それでは感想は簡潔に。レツゴー。

 

 

 

・コロナ明けの初現場は応援屋だったものの、やはり自担がいる現場、しかも主演となると緊張感が違う。
どのくらい緊張したかというと、パンフ(持ってるのに)の見本写真相手に緊張し、人形相手に緊張してた
ステージ中央には幸福王子を模したマネキンが置かれているんですけど、開演前ずっとそいつ相手に緊張してた。

松竹芸能のオタクしてた頃も推しのパネル相手に緊張してたから何も変わってない。

 

・自担出てきただけで感極まる(恒例)

 

 

・顔めちゃくちゃかっこよくて真顔なのに音楽にノッてる姿が最高にかっこいい。風格は幸福王子そのものだったけどノリ方が本髙くんらしかった。

 

 

今野大輝さん!!!!!最高(最高)
歌唱力があるから発声も良くて歌も台詞も聞き取りやすい。
2018年ドリボのきそがわ今野さん見とれ事件が懐かしい(事件でもない)
羽ばたいているのを表現してるのか、時々椅子に座ったままクルクル回ってて可愛かった。

 

 

・この人が王ですって言ってライオンキングのあれみたいに本髙くんのこと掲げたい

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※参考画像

 



ステージで本髙くんの歌声しっかり聴くの初めてだったけど声量が本当凄くて、シアター1010のキャパならマイク無くても届いたんじゃないかと思う。
2018年ドリボで唾吐いてた時から「この子はヒールの素養がある……!!!!!」と興奮していたのですが今回見事に花開き…おめでとうございます…。
役によって声色とか声量を変えられるのは分かるけど滑舌まで変わるの末恐ろしい。

いまでも十分すごいけど、この先さらに板の上で生きていく人間としての力を蓄えていく姿を覗ける贅沢さが未来で待っていると思うと高揚してしまう。

 

・小川さんかっこいい。
ギターは私の記憶が正しければこの時の…?

j-island.net

 

 

 

・ジャニーズ以外のお三方もとてもレベルが高くて震えた。冒頭のエフェクター?使った語り、ゃばなちゃ好きでしょ でしょ(圧)

 

・一番下手の俳優さんめちゃくちゃすごかった ワンシーンだけど女性役もやってた
あとこの時の優くんがデラクソかっこいい もう本当に バンドマンに弱くて悲しい 小川さん しゅき…

 

・「つばめよつばめ ちいさなつばめ」
「ちいさな、はいらない!😠💢」
「フフ、…ごめん😊」
このやり取りが3回くらい登場するんだけど、劇中でそう呼び掛けるごとにどんどん王子がツバメへ親しみを持っていくのが見えてうわぁディテールがうめ~誰この俳優さん?自担で~~~~~~す!!!!!!!!!!ピースピースピース✌️✌️✌️✌️✌️✌️✌️✌️✌️

 

 

 

・全てはゼロサムゲーム(いい曲)
本髙くんメインの曲。『勝者がいれば敗者も存在する』=ゼロサムについて難しく言ってる王子。最適化問題とか好きそうだ。

 

曲終わりで段差からファゥッ…と飛び降りる王子が大層素敵でいらっしゃいました。ジャニーズと猫のお家芸『高いところから平気で飛び降りる』私がやったら足首折れ散らかすわ。
王子のエッジが効いた歌声メチャクチャ癖になる。

TOKIOであったりエイトであったり、これまでバンドをやってきた先輩グループって力強いボーカルが魅力的なイメージがあって。それに対して侍はポップな歌声のメンバーが多く感じていたんですけど、まさかの本髙くんが新たな可能性を示唆してくれたことに感動した。

前にどなたかが本髙くんのことを「縁の下のリーサルウェポン」と形容していたのをすごく覚えている。支柱にも兵器にもなる。このワードを知ってしまったらもう本髙くんのことをそのようにしか言い表せられない。

 

 

・見ろ!俺キラキラで~~~\知ってる~~~~~!!!!!!!!!!/
見ろ!俺ピカピカで~~~~\知ってる~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!/
※心の中でC&R
※この歌もなんだかんだ口ずさんじゃう

こんな感じで2人もノリノリ楽しく向かい合って歌っているけど、この後に続く歌詞の皮肉に痺れる。
HiHiがクリエでドリボコーナーやったみたいに、来年辺り侍の公演でスパヒロ(れあたい)、応援屋(りねたい)、幸福王子(ぽんぴ)、20年ドリボ(全員)と2020年の舞台総ざらいみたいなメドレーやってくれたらなー。東宝制作じゃなければ厳しいかね…。ゼロサムの歌マジで好きなんですけど…

 

 

 

 

・先述の幸福王子像と本髙さんの絡みが非常に官能的で美しかった。
物語終盤、像の頭上の冠に手を伸ばし、足許に躓く。
仕草ひとつひとつがコマ送りのようにゆっくりと、丁寧に。

 

 

 


この人はどうしてこんなに『陰』の感情を描写することに長けているんだろう。

 

 

 

 

流す涙の色さえ変える。

 

 

世界でいちばんきれいな泣き顔。

 

 

 

 

 

 

どんな芸術品にも例えられない尊い姿のはずなのに、大好きな人の渾身の姿のはずなのに、私の目にはその姿が滑稽に映った。

 

 

王子が美しければ美しいほど、その内面の愚かさが露呈していくようで。

 

 

完全に私の学がないせい&原作ノータッチなせいで1つ引っ掛かっているのですが、

幸福王子ってなんで幸福王じゃないん??

 

恵まれた王室に男子として生を受けながら、なぜ王位を継承せず死んでしまったのか。

王より先に死んだから?

生前の王子には兄がいて、兄に王位継承権があったから?

それなら何故街に建てられた黄金の像のモデルは彼だったのか?

 

 

本当に王子は幸せな人生を歩んでいたのだろうかと懐疑的に思う。

 

しかしそう思うと、あの気の短さも、押し付けがましい「幸せ」の押し売りも

むしろ腑に落ちる。

 

 

 

 

ラストシーン、息を、空間を、衆目を、感情を、すべてその体躯に取り込んで、取り込んで、取り込んで、取り込んで、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吐き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんでもないものを目撃してしまったと思った。

 

 

悪寒と快感は共存できるのだとその時初めて知った。

 

 

 

・終演後の挨拶
本髙「千秋楽まで誰一人欠けることなく、お客さんも、欠けることなく行きたいと思いますので、みなさん!たくさんごはん食べて、頑張りましょう!また来てください!」

バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

 

 

劇中は怒ったり、泣いたりと笑顔を見せるシーンが少なく緊張感のある内容だったので、やっと見られた本髙くんの笑顔と「たくさんご飯食べて…」発言がめちゃめちゃ愛しくて鼻水ダーーーーーーダーーーーーー出た(汚)
北千住が愛でオゾン層のように包まれた瞬間だった。

 

ぴーこんちゃんと少しそわそわしながら顔を見合わせて、
「「せ~~のっ………、ありがとうございました~~!!☺️☺️」」

ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

 

このところあんまり食欲なかったり無頓着だったりしたんですけど、本髙くんがそう言ってるから…と思ったらめちゃめちゃ食欲わいてきて。
本髙くん万物の万能薬すぎる

 

 

 

・劇中、歌ったり踊ったり、泣いたり笑ったり怒ったりする王子の胸元が照明に反射してキラキラ輝いていて、『脳内ポイズンベリー』の時にも同じことを思ったのを思い出した。
現場に入る度に、その人の影とか反射する光を見る癖が昔からあって。
そういうのも現場の醍醐味かなと思う。
王子の耳元や、胸元のペンダント、ジャケットが煌めくたびに心が震えた。

 

 

・感想ツイを漁っていてむ!!!!!と思ったのが、

 

 

「本髙くんのお芝居藤原竜也に似てる」

 

 

 

、、、、、!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(カタルシスの音)

 

 

 

つくづく本髙くんとは私がこれまで好きになった人の集大成みたいな人だな…。
あぁ…そうか…あの迸る熱情と凄まじい覇気……。
蜷川さんがご存命だったら見つけて頂きたかった…本髙くん身毒丸やって…シェイクスピアやって……夜神月…やって……………………………………

 

 

そしてこのシナリオ自体も観劇後、色々考えさせられました。

 

 

 

 

 

誉め言葉として言うんですが、

このシナリオをジャニーズJr.に振るの、よほど攻めた人間の所業ですよね。

 

 

初めこそ本髙くんキャー綺麗かっこいいキュンキュンかちゅきたゃ💕💕💕みてーなノリで観てたらどんどんこの物語が内包するグロテスクな幸福感に毒される。

幸福をエゴ的に消費することを真っ向否定した作品を、幸福を商品として扱う人間に背負わせる業の深い構図は、幸福ポルノとも形容したい。

 恐ろしいことにこの客席に座ってしまった時点で、観客全員がその幸福ポルノの片棒を担がされてしまうのである。

 

伝わるのかこのレポ。というか矢花黎さんの感想をお聞かせ願いたい。マジで、この作品の感じ好きそうというか、ソロ曲のテイストを省みるにこの舞台に思うところあるんじゃないのか。知らんけど。

 

 

 

劇中、王子は自らの身体を飾る宝石や金箔を貧しい人々に分け与えます。
しかし、宝石をもらった人々のその後のことはあまり触れられていません。
更に劇中、そのことについてツバメと王子が激しく口論するシーンも。
口論の中でツバメは王子のことを「偽善的だ」と罵ります。
「宝石の価値が分からないまま捨ててしまうかもしれない」「取り上げられてしまうかもしれない」とも。

王子も図星を突かれて怒りにまかせてもはやそれでもいい的なこと口走っちゃったりもして、庶民たちに幸福を与えたつもりで王子自身が一番気持ちよくなっちゃってることがバレバレになる。

 

 

 

物語は終末を迎え、天国へ連れられた王子とツバメ。


神様は2人に、永遠の幸福を与える、と言います。

 

 

 

 

その言葉を聞いて、顔を歪ませ、立ち尽くす王子。

 

 

 

 

皮肉なラストは賛否両論ありそう。私はこの結末を賞賛したい。

 

 

 

スポットライトがゆらり揺らめく体躯を照らし、ぼんやりと影を生む。

 

 

 

 

 

次に板の上で笑う本髙くんを見るとき、世界でいちばん愚かで美しいあの泣き顔を、私は思い出すのだろうか。