偶像たちが目にしみる

あなたに心奪われながら 僕は生きてもいいですか

きみは何色の恋人

髙橋優斗くんが白のアイドルになって1年が経つ。

 

ということはクリエからも1年が経つということで、何だか不思議な感覚に苛まれる。

実感を伴わない月日の経過は人を感傷に浸らせる。

 

 

多少なりとも私はピンク色のアイドルの優斗くんに誇りを持っていて、いざそれが過去のものとされた瞬間、確かにショックを受けた。

まぁ、すぐに立ち直ったけど。

 

ピンクの髙橋優斗くんは、いかにも『ゆうぴー』というニックネームで呼び掛けて愛でたくなる、愛らしい男の子だった。

どんな事にもひたむきで、無我夢中に突っ走っては盛大にすっ転ぶ。目も当てられないけど目が離せなかった。その頃の優斗くんといえば、グループのセンター、同世代Jr.の最年長、日毎肩書きが重みを増して。舞台では演技経験もほぼゼロの状態で主人公の弟役に大抜擢。その舞台をやっと終えたと思えば、ある日掲出された帝劇のポスター。不自然に1人だけ大きく並べられた写真を、私は手放しに喜べなかった。

スペオキだなんだと揶揄され、何であの子がと方々からため息が聞こえた。

今思い出しても単なるファンの私が辛くて、何であの人が、何で優斗くんがこんな目に遭わなくちゃいけないんだ、とずっと悲しかった。

それでも、優斗くんの言葉を聞くたび、ステージに立つ優斗くんを見るたび、

 

 

たとえこの辛さが永遠に続くとしても、この人に着いていこう。

この人が進むなら地獄だって見てやろう。

 

 

そういう気持ちが強まっていった。

 

およそアイドルを応援する動機としてはあまりにも重すぎる覚悟を抱えて髙橋優斗くんのファンになり、最初の春を迎えた。

 

グループの単独公演を目前にしたタイミングで、ピンクの優斗くんは、白の優斗さんになった。

 

 

 

「ぼくのメンバーカラーが、白になりました!(笑)」

 

 

 

メンバーカラーの変化が本人の内面の変化を促した、と結び付けるのは些か短絡的だけれども、丁度この辺りの時期を境として、私から見た髙橋優斗くんの印象は以前とは異なった色彩を帯びるようになった。

 

その発表から数日後、初めてお目にかかった白の優斗さんは、とにかく、格好良かった。

ステージ上でメンバーやバックのJr.と笑い合い、ステージに立つその姿は生き生きとしていて、今この瞬間が楽しい!という感情が全面に出ていた。

グループの名前と白色のファーが縫い付けられた新しい衣装を身に纏い、ペンライトの光のシャワーを浴びる背中がひどく眩しくて、私はすっかり白の髙橋優斗くんの虜になってしまった。

 

 

 

いよいよ夏が本領を発揮し始めようという頃、日本中を、世界中を駆け巡った訃報。

 

何百人といる『子どもたち』の代表として祭壇の前に立った優斗さんは、同じ日に真っ白なロングジャケット姿で東京ドームのマウンドに降り立った。

夢でも見たくなかった景色と、夢にまで見た景色を1日の間に走り抜けた。

人見知りで自信もなくて、年の近い先輩に連絡先も聞けなかった優斗くんが、面識も殆どない大先輩にその人の名前が刺繍されたグローブを貸して下さいと頭を下げた。

 

 

照り付ける日差しの六本木、これまでグループについてまるで意図的に明言を避けるかのように言及してこなかった優斗さんが、「皆さんを、伝説のグループのファンにします。」と誓ってくれた。

 

 

 

もうその頃には、白はすっかり優斗さんのための色になっていた。

1年前の私の決意は、笑ってしまうくらいに杞憂で、優斗さんを応援してきた日々は、幸せで幸せで幸せで、これもまたアイドルを応援して得られる量の喜びにしてはあまりにも贅沢すぎた。

願わくば、溢れたぶんだけ、どころか、貰った幸せすべて優斗さんにお返しして、その進む道を照らせは出来ないだろうか。

優斗さんの姿は頼もしくて、凛としていて、誇らしい。それでいて、無邪気で愛しい面影はそのままで。

もう、何であの子が、なんて声は聞こえなくなった。

 

 

 

しかし。

そこからほどなくして、グループは伝説より先に、望まない形でその名を残すことになる。

 

 

当時からネガティブな感情はそこまでなかったものの、暫く2人に対して、何とも形容しがたい感情があった。

手放しに褒めにくい。気を遣ってしまうところが正直、あった。

こういう心のしこりを、わだかまり、と呼ぶのだろうか。

 

 

 

 

優斗さんのことは好きだ。大好きだ。

 

だけど、あなたの居場所を私は愛せない。

 

 

 

このモヤモヤをどう扱っていいか分からない私がその感情をぶつけた先は、あろうことか優斗さんだった。

いつもは優斗さんの好きなところやHiHi Jetsの未来の話で埋め尽くしてきた便箋に、その日は不安な気持ちを綴った。

 

予定では、そのわだかまり、を、春の六本木で粉々に打ち砕く予定だった。あぁ優斗くん私やっぱりHiHi Jetsが大好きですありがとう。そう書いてEXシアターの手紙BOXに駆け寄るつもりだった。しかしこのご時世である。粉砕されたのは、甘ったれた私の予定調和だ。

 

外出自粛期間の中で、ずっと考えていた。必死にしたためた手紙も今思えば甘えも甚だしい。本人の手に渡った否かはさてとして、紙にしたため投函した愚かな言葉は消えない。

 

Twitterを眺めていたら、優斗さんのメンバーカラーが白に変わってから丁度1年が経つことを知った。

最初はツイートにしたためていたけれど何だか長くなりそうで、この1年を振り返りも兼ねて、優斗さんの話がしたいな、と思い立ち、はてなブログのアプリを起動した。

 

 

 

 

 

 

『髙橋優斗くんが白のアイドルになって1年が経つ。』

 

 

 

 

その一文から書き始め、好きになった頃の話から順を追って言葉にしていく。

 

『しかし。

そこからほどなくして、グループは伝説より先に、望まない形でその名を残すことに』

綴っていくうちに話は脱線して、今ここに辿り着いた。私はこのわだかまり、が何なのかを考えることを放棄していた。向き合って言葉にすることをずっと避けてきた。それをここで悟った。

 

 

 

 

ようやく分かった。

 

 

 

わだかまり、の正体。

 

 

 

ひとつめ。

わたしはこれまで担当してきた人がいるグループを好きになる上で、担当とは別にもう一人、グループを好きでいる軸となるメンバーの存在を無意識に作っていた。

このメンバーがいるこのグループにいる担当が好きだ、と感じることで、一定の信頼感を持ってオタクすることが出来ていた。

櫻井担の時は大野さん、戸塚担の時は河合くん。本髙担としては矢花さん。髙橋担である更にその先で私をHiHi担たらしめるのは作間くんの存在だった。

まだ推したい子もはっきり決まっていない状態で初めてHiHi Jetsのコンサートに行ったとき、最終的に髙橋担か作間担かの二択で悩んだ末に優斗さんを選んだ。

しかしそこからしっかり腰を据えてHiHi Jetsを応援するようになったのは、作間くんがいる、という信頼があってこそだったと思う。

けれど今回の件でその構図が崩れてしまったと同時に、HiHi Jetsを好きでいるレゾンデートルも揺らいでしまったのである。

 

 

そしてふたつめ。

不在を守ってきた側のファンとして、ある程度彼らに対して冷静な視点を持っていなければいけないんじゃないか、という、誰に対してかも分からない強迫観念。

 

 

それが、私の心に居座り続けた、わだかまり、の正体だった。

 

 

 

分かってみると馬鹿馬鹿しい。

 

私はこの数ヶ月間何に囚われてきたのか。

 

 

些末な結論ではあるものの、ひとつ霧が晴れ視界が拓けると、また思い至ることがあった。

 

 

 

白は他の色があってこそ、その美しさに気付くことが出来る。

白い積乱雲が美しいのは青い空があるから。

白い百合の花が美しいのは緑の葉があるから。

白い朝の光が美しいのは紫色の夜の闇があるから。

白いキャンバスが美しいのは赤い絵の具があるから。

 

 

4色の4人がそばにいるからこそ、白の優斗さんの輝きに触れることが出来る。

反対に、白という色の存在で、4つの色は更に鮮やかに輝きを増すことが出来る。

 

 

だから優斗さんにはこの4人が必要だし、

4人にとっても優斗さんが必要であってほしい。

 

 

 

 

1年前、メンバーカラーが変わると告げた時、5人は「優斗が違うステージに上がるとか、そういうことじゃない」と言った。

この記事を書き始めたときは、嘘を仰い、1年後蓋を開けてみたら優斗さんはこんなに素敵なアイドルへの階段を上がったじゃない、と嬉々としてその言葉を責め立てる算段だった。

 

 

だけど、今考えればそれは解としては少し事足りなくて。

あれは白という色彩を手に入れたHiHi Jetsの門出だったのか、と今なら分かる。

 

その解に至るまで、1年もの歳月を費やしてしまった。

 

 

臆病なところもあるけど、いざという時は圧倒的なオーラで5人を引っ張ってくれる自慢のエースの瑞稀が大好きです。

 

口が達者で勘違いされやすいけど、誰よりもHiHi Jetsを愛してHiHi Jetsのために力を尽くしてくれる蒼弥さんが大好きです。

 

言動が読めないところもあるけど嘘は下手くそで、メンバーや私達ファンを癒して笑顔にしてくれる優しい作ちゃんが大好きです。

 

びっくりするくらい勉強は苦手だけど、物事を否定せず受け止めてくれる広い視野と心を持つ気遣い屋さんの涼くんが大好きです。

 

一番単純そうで一番わかんない。だからこそ目が離せない離したくない世界でいちばんの男の子、優斗くんが大好きです。

 

そんな5人からなる、HiHi Jetsが、大好きで、大好きで、大好きで、大好きで、大好きです。

 

 

こんな私をお花畑オタクと笑うならもう、それでいい。

 

 

ファンになって2年目、やっと導けたこの答えを抱き締めて、早くあの5人に会いたくて、たまらなくなった。